♡しろねこの乳癌闘病生活♡

30代♡告知~手術に向けての乳癌密着ブログ

【番外編】鬼と言われて思い出す…新入社員時代の悪夢

今週のお題「鬼」という告知を見たので

私の鬼物語を振返りたいと思う。

 

【ちょっと暗くて偏りのある想い出話なので

不快に感じる方はスルーお願いします👹】

 

時は、かつて10年近く前に遡る。

私が22,3歳の社会人一年目の頃の事だ。

今の職場に転職する前、

私はブライダルプランナーの卵だった。

 

皆さんは、プランナーと言われて

どんな人物を想像するだろうか。

偏っているかもしれないが、

私は20~30代位のオシャレ女子が

新婦に寄り添いながらキャピキャピ

プランニングしていくのを想像していた。

けれど、私が当初籍を置いていた

ブライダルサロンの構成員は

想像かけ離れた、全く異質の集団だった。

 

40代位の男性支配人が率いるその部署には

30代男性Aさん、50代男性Bさん、

50代女性Cさんに加え、

60歳近い女性プランナー( Dさん )も居た。

「新入社員を辞めさせないよう注意」との

上層部からのお達しがあったようで、

入社当初から皆、とても優しかった。

 

しかし、入社2,3ヶ月後辺りから

徐々にDさんからの当たりが強くなった。

「若いだけでチヤホヤされていいわよね!

エコ贔屓よ!」

「新人は誰より早く出社して

全員の机拭きやサロンの掃除をするものよ!」

「たとえ接客の合間でも、シンクに

コーヒーカップ1個、タオル1枚でもあれば

貴女が率先して洗いなさい!」

「テーブル布巾の手洗いは漂白剤も入れて。

ゴム手袋?そんなの要らないわよ!」

「干してあるタオルの隅と隅が

揃っていないわよ!こういう所に育ちが出る」

 

無知な私には当然の正しい指摘も多く、

どちらかと言うと、モンスターと言うより

「鬼姑」といった感じ。

大人になった今だからこそ、

思い返して感謝する部分もたくさんある。

 

それでも当初は、

一挙手一投足のダメ出しが連日続き、

感謝する余裕も無く少しずつ疲弊していった。

 

Dさんに叱られるのが怖くて、

でもDさんに認めて欲しくて

がむしゃらにがんばった。

…結局Dさんに認めて貰える日なんて

やってこなかったけれど。

 

叱り方もだんだんヒステリックになっていく。

 

ある日、入社後初めて

私が大きな発注ミスをし、

担当部署への謝罪に

支配人が同行してくれた事があった。

その時にDさんから投げかけられた言葉は、

「貴女は支配人に守られてるからいいわよね!

失敗しても支配人がすぐに助け舟をだす。

若いからチヤホヤされて!」

初めての大きなミスをした事にも、

責任者が同行謝罪する程のミスの重大さにも

かなり落ち込んで居たのに、輪をかけて。

この人の目にはそんな風に映ってるんだ。

 

別の日には、支配人への不満を

他部署の同僚たちに吐き出していた

Dさんに同調を求められたが、

同調も否定もせず流した事があった。

すると翌日には、

「同調しないって事は

しろねこさんて支配人の事好きなのよ」

と噂されていた。

それでも上司を「嫌い」よりは

「好いている」という噂の方が

角も立たないし…と放って置いたところ、

1,2ヶ月後には

「支配人としろねこは不倫の仲だ」という

話に膨らんでいた。( もちろん事実無根 )

 

Dさんに叱られた時も、変な噂が立った時も、

いつもCさんが笑い話に変えて大丈夫よ、

と励ましてくれていた。

私にとっては心の支えだった。

 

そんなこんなで

Dさんの根気強い布教活動の結果、

入社半年位から浮上したその噂は、

心を病んで退職する2年目の終わり迄続いた。

辞める頃には

「今日、しろねこと支配人が同行から

帰ってきたら同じ石鹸の匂いがした!」

と迄、話が発展していた(笑)

 

私の退職後、

ずっと寄り添って相談に

乗ってくれていたCさんからメールが届いた。

「本当はどうだったの?」と。

そのメールを見た瞬間、心の底から

辞めて良かったな、という確信をもった。

 

丸2年でいよいよ耐えかねて辞めた私は

今、全然違う事務の仕事をしている。

あの時、接客していた時間だけは、

カップルさんと積み重ねた想い出や式だけは、

本物で、楽しくて、宝物。

私のブライダルへの敬意や憧れは

決して薄れる事はない。

正直今の事務の仕事よりもずっと

華やかで、キラキラしていて、今も眩しい。

 

ただ、あれから10年。

私はあのサロンの退職を

1度たりとも後悔した事はない。

職種ややりがいなんて、

自分の捉え方次第で新たな価値は生み出せる。

でも周囲の人間は簡単には変えられない。

 

あんなくだらない

しかも全く事実では無い噂を

(たとえ事実だったとしても)

2年近くも楽しそうに

喋り続けるようなおぞましい人間と

一緒に居るのは苦痛以外の何物でも無かった。

悪口や噂で応戦等、同等の人間にも

なりたくなかった。

 

「鬼」というテーマで、まずDさんを

思い出して書き始めたのだけれど、

「鬼」は本当にDさんだけなのだろうか。

 

今思えば、2年間も噂が活き続けるには

興味本位で同調し、拡散するような

周囲の人間の力が不可欠だ。

 

悪意を持って毒を吐く人間。

ランチの話ネタ程度に

悪気なく拡散させる語り部達。

もはや、すっかり悲劇のヒロインとしての

記憶しか残していない私のエゴイズム…。

 

本当の鬼は一体誰なのだろうか。

鬼は案外身近なところに

潜んでいるのかもしれない。